TGVとミラノ行き特急

 「ジュネーヴはスイスではない」などといわれるが、ホントにそうだと思う。他のスイスとは雰囲気が違うのを即感じた。もろここはフランスである。
 わたしは大きな街より小さな街の方が好きだ。都会よりも田舎の方が好きだ。田舎の方が自然と文化がより調和されていて、その国の本当の姿がよく感じ取れる。たとえ街から街への移動の途中でも、その途中の風景さえも見逃せないのです。
 ジュネーヴの駅で時刻表の看板を見ていたら、少し離れた通路の短い階段の所に座った女が、おいらの方を見てなにやらニコニコとスマイルを飛ばしているぞ! えっ!な、なんだぁ! あっ!目が合っちゃったよ、どうしよう・・・。ただ外国人に愛嬌をふりまいてるだけかな? でもジュネーヴじゃ日本人なんてそこらへんにいるし珍しくも何ともないし・・。やばい女かなぁ? たしか「気球の歩き方」に、日本人男性がモテるわけないから、そういう色気でくる女にのこのこ付いてかない方がいいよ、とか書いてあったぞ。とりあえず知らんふりしとこう。それよりも、今おいらは列車時刻表の掲示板を見て、この列車に乗ればどこどこの街まで行くんだぁ・・などと、列車の旅に心馳せることに気持ちがいっていた。そしてその女のことも忘れてしまった。そして列車に乗るためホームに向かおうとしたとき、ふとその女のすぐ前を通り過ぎようとしていることに気が付いた。そしてその女の顔を思わず見てしまった瞬間、おいらの手を掴んできた!(ひえぇ〜) でもすぐに手を離してくれてスマイル飛ばしてたんで、「バイ!」って手を振って返してあげた。 ただそれだけだった。 ・・・いったい何だったんだろう? ほんとにただ愛嬌を飛ばしてただけだったのだろうか?
 フランスの誇るテージェーヴェー! なんと! 実は汚いのだ! 日本の新幹線のイメージからからは思いもつかない。とにかくきたないでっせほんまに。まず、いきなしヌーっとなんにもいわずにオレンジ色の列車がホームに入って来たので、あっ、TGV だ!と、慌ててカメラを取り出した。でも、塗装とかが剥げまくっていて、色も褪せてるんで、一瞬これほんとにTGV?と写真を撮るのを躊躇した。だから正面からの写真は無い。この横からの写真を見ても分かるかように凄く汚れている。(写真写りは良いみたいで、実際のオレンジ色の塗装はもっと色あせている) では、室内はどうかな・・・。あっ、やっぱ汚い。イスの肘掛けのビニールとかがが剥げちゃってるよ・・・。 車掌さんもすごくラテン系って感じ。 でも、でも超すっごく速いんだから! 日本の新幹線みたいに専用線じゃなくて、在来線を走るし、すっごく速いよ!! 先日ドイツの新幹線ICEが事故ったばっかしだし、もう宙に浮いちゃうんじゃないかと思うほど超速いっスよ!!
 隣のホームにとまっていたのはミラノ行きのスイス国鉄の特急。さっそく乗り込んでみる。コンパートメント式の座席ばかりだ。これぞヨーロッパの国際列車!って感じ。でも、もう出発10分前なのにこの車両にはだれ一人乗っていない。一人乗っているとまるで個室のようです。このスイス国鉄の列車は綺麗でした。