日本一の清流 海部川
1991年1月8日(火) 徳島新聞 朝刊 より
「「池田教授らは県内の河川を調査中、海部川の水の美しさに驚き2回の予備調査を実施。
昨年7月31日に海部郡海南町の轟滝付近の源流から同町大里海岸の河口まで、36.3Km
の間で17地点を本格調査した。これを四万十川196Kmのうち、愛媛県境に近い高知県
高岡郡東津野村付近の源流から下流40Kmまでの5地点で、昨年11月28日に測定した
データと比較した。その結果、水素イオン濃度(PH)の平均値は、両河川とも7.6の
微アルカリ性で、いずれも問題がなかった。また、ミネラル硬度は海部川22.3ppm、
四万十川23.1ppmで、ともに厚生省が発表している「おいしい水の水質要件
(10-100ppm)を満たした。
しかし、水中に溶けている有機物などの量を示す化学的酵素要求量(COD)は海部川の
0.26ppmに対して、四万十川0.92ppm。汚濁の尺度となるアンモニウムイオンが海部川
では全く検出されなかったが、四万十川ではどの調査地点でも検出された。
海部川付近では、CODが0.03ppm。水道水の0.4-0.5ppm、名水で知られる徳島市眉山下
の錦龍水の0.3ppmよりも低く、海部川の水の美しさを実証した。
海部川が知られざる清流だった背景として、池田教授は、
*流域の人口密度が低い
*ダムがない
*産業がない
*森林が多い
などを挙げているが「良水といっても、天然水なので微生物が含まれている可能性もあり、
保存はきかない」と話している。」」
多摩川上流辺りの川を見て「ああキレイ」などと言っている、下水路と化したドブ川
しか知らない、本当の川を知らない人たちには無縁の川であろう。
本当に清流といえる川とは、源流域から、上流中流下流域、河口まで全てにおいて
きれいであることだ。上流にダムができ、いったん流れが止まった水の川は清流とは
いえないでしょう、それは。