菅直人氏のお遍路報告 六根和尚 [2004/09/25,01:43:34] No.62 (URL:http://www.n-kan.jp/)
菅直人さんのお遍路報告を掲載いたします。

お遍路をすることになったいきさつや、自らの心情がつづられています。

政治家としてというよりも、一人の人間としてどういう感想を持ったのか、
その一例となると思うので掲載させていただきます。


<お遍路報告> 菅 直人
参院選投開票日の3日後の7月15日、四国のお寺をめぐるお遍路の旅に出ました。お遍路に興味を持った最初のきっかけは、2年前の代表選に敗れた後、東大阪にある司馬遼太郎記念館に出かけ、「空海の風景」を見つけて買い求め読んだことです。その後今年の初めに高野山に出かけ、弘法大師(空海)についてより深い関心を持ちました。そして5月10日、年金問題がきっかけで私自身代表を辞任。さらに岡田新代表が就任したすぐ後の5月末、妻がくも膜下出血で倒れ、幸いにも後遺症もなく退院できましたが、こうした事の重なりから自分を見つめ直してみたいという気持ちになりました。選挙期間中、徳島に応援に出かけた時に1番札所の霊山寺に立ち寄り、お遍路について調べました。その折、芳村ご住職にもお会いでき、私が「頭を丸めたら気分が変わりますか」と尋ねるとご住職は「気分が変わった人が丸めるのです」と云われ、なるほどと納得。妻の伸子にだけは事前にお遍路に行くことを伝えました。もともと学生時代にはリュックを背負って紀伊半島や三陸海岸を歩いたこともあり、そのことを知っている妻は「私は大丈夫だから行ってらっしゃい」と快く送り出してくれました。もっとも、1番札所の霊山寺で、ご住職が地元の民主党やマスコミ関係に連絡をされたようで、スタートから取材攻勢を受けることになってしまいました。四国88ヶ所を全て回ると、約1200キロあり、歩きでは40日から50日かかります。私は一応、7月末の臨時国会が始まるまでには戻る予定で、10日間程度で歩けるところまで歩き、できれば空海が修行した室戸までは行って見たいと考えました。結果的には徳島の1番札所霊山寺から24番札所高知室戸の最御崎寺(ほつみさきじ)間で約240キロを11日間で歩きました。猛暑の中の11日間で、私の体重分の70リットルを超える汗をかき、生まれ変わったすがすがしい気持ちで旅を終えました。歩く先々で、スイカや飲物の「お接待」を受けた。この「お接待」は業者がお得意先を歓待するお接待とは全く違います。自分達の思いも一緒に持って、お遍路を続けてもらいたいとの気持ちを込めて、いろいろな形でお遍路さんを助ける四国に永く続く風習です。その親切な気持ちには本当に心を打たれました。目的地に行くだけの飛行機や車の旅とは違い、歩くとその地域の生活が良く見えてきます。徳島の山間部ではすだちや梅が栽培され、さっぱりとしておいしい「すだちジュース」のお接待を多く受けました。室戸に向かう海岸線には漁港が連なっており、かつては遠洋漁業も栄えたようですが今は沿岸漁業が中心で、それも輸入に圧されて四苦八苦の様子。元気がいいのは海洋深層水を使った飲物や、化粧水、それで栽培された野菜など。四国は大きな川と山に恵まれていますが、山は人手が入らず他の地域同様荒れています。また難病の患者さんや障害者の人などが話を聞いてくれと、私が来るのを待ち受けている人もありました。中には「こういう機会でなければ直接話を聞く機会はないから」と半日同行して歩いた若い人もいました。水戸黄門慢遊記ではありませんが、その地域の人と話し地域を知る上では歩く旅は最高の機会でした。その後、台風明けの9月8日から11日までの4日間にも前回に続き、24番札所の最御崎寺から30番札所の善楽寺まで歩きました。各地で地元の町長や市長も沿道にでて迎えていただき、意見交換ができました。

以上


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