三俣山荘

鷲羽岳より俯瞰した三俣山荘。
北アルプスの山奥深く、鷲羽岳と三俣蓮華岳との鞍部にある山小屋。
その地点への交通手段は徒歩以外になく、どの道を使っても
二日はかかるので、往復で4日は必用となる。
三俣とは、越中、信州、飛騨の三国の国境地点にあたる。
山荘を経営するのは伊藤正一氏。もともとは戦前に安曇村稲核の猟師が
建てた小屋をその息子が引き継いでいたのだが、その人が出征して戦死したため
伊藤さんが買い取った。ところがその頃から怪しい噂が小屋にたっていた。
三俣の小屋に山賊が住み着いているとうのである。伊藤氏は1946年に、
小屋の状況調べもかねて小屋に向かった。そして恐る恐る小屋をのぞくと
小屋の壁には鉄砲や刃物類、動物の皮やなどが掛けてあった。
そして見ず知らずの四人が住んでいたそうだ。しかし彼らは山賊ではなく、
この辺りを拠点にしている名猟師達であった。伊藤氏は彼らと親交を結び、
尊敬の念を持って接した。その後彼らは三俣山荘の改築や、登山道の開拓、
整備に協力し、大きな役割を果たした。
小屋は二階建てで、その二階には好評の展望レストランがある。登山者の
噂では、ここのチーズケーキが美味しいということである。当方は何度か
このレストランを利用したが、それは食べたことがない。


野口五郎小屋

野口五郎岳から見た野口五郎小屋。
野口五郎岳の山頂近くにある山小屋。
小屋は木造二階建て。舟窪地形の中にある。この辺りは花崗岩質の白い石が
ゴロゴロしている。だから五郎岳という。野口は山麓の昔の集落名。
小屋が建設されたのは1965年。葛温泉にある高瀬館や烏帽子小屋を経営する
上條鉄一氏によって建てられた。
その地点への交通手段は徒歩以外になく、どの道を使っても
二日はかかるので、往復で4日は必用となる。
野口五郎岳へは大変な急登を強いられることになるが、
富士山への登りよりは、気分的には楽であろう。
日本の登山で一番しんどい山は、まったく富士山である。
なんの変化もないジグザグの道をただひたすら登るだけだ。
一度登ればもういい山である。
「富士山に登らないバカと、富士山に何度も登るバカ」と云うそうである。


モドル